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「影響力の武器」の紹介と営業活動に役立てる方法
世界で200万部以上を売り上げ、現在も売れ続けている、ロバート・B・チャルディーニ教授の名著「影響力の武器」という本があります。
営業やマーケターに関わらず、全ての社会人にとって必読の書だと思っていますが、なにぶん読みにくい本なので、買っただけで読んでいないかたも多いのではないでしょうか。
今回から数回に分けて、名著「影響力の武器」の内容を紹介しながら、貴社の営業活動に役立てる方法を考えていきたいと思います。
人は感情で動く
まず始めに、「人は合理的・客観的ではない」という点を確認しておきます。つまり、人は理屈では動かず、感情で動くということです。
例えるなら、人はこころの中にいくつかのスイッチがあり、このスイッチを押されると、本能的にそして無条件に「承諾」をしてしまうのです。
そのスイッチを押す仕掛けを、貴社の営業活動に上手に取り入れてみましょう。
第一回目は「返報性」のルール
今回は一回目として、「返報性」のルールをご紹介します。
返報性のルールとは、簡単にいうと、頼んでいないことであっても相手に何かをしてもらったら、それを返す義務を感じてしまうという思考です。
面白いことに、相手を好きか嫌いかに関わらず、知らない相手であっても、この返報性のルールは通用します。
例えば、
- SNSの「いいね」や「コメント」をもらったら、お返しする
- 褒められたら、褒め返す
- お中元やお歳暮をもらったら、お返しを贈る
- バレンタインデーにチョコをもらったら、ホワイトデーにお返しをする
- プライベートな話してくれた相手には、自分のプライベートも話す
などが例として挙げられます。
業務ではどう活かせる?
業務としては、フリーミアムというビジネスモデルを想像してみていただくと、分かりやすいかもしれません。
メールアドレスやクラウドストレージ、名刺管理ツールなど、基本無料のアプリやサイトを提供して便利さを理解してもらい、追加機能が必要な人にはお金を支払ってもらうという仕組みです。皆さんも利用されているのではないでしょうか?
フリーミアムをそのまま貴社で行うのは難しいかもしれませんが、展開しやすい方法としては、
- 無料サンプルを提供する
- 顧客や見込み客を、SNSでフォローする
- 自分の情報を出して、相手の情報を得る
- 無料相談を実施する
- 有益な情報を発信する
などが例として挙げられます。
いずれにしても、重要なのは無料で与え続けることです。すぐに返ってくるとは限らないし、100%返ってくるとも限りませんが、与え続けることです。
業務で注意することは?
注意点として、値引きを重ねるような方法はオススメできません。理由は本シリーズの別の回でお伝えします。
また、返報性には有効期限があるということも頭にいれておいてください。なぜ有効期限があるのかというと、
- 与えた側は、時間が経つにつれて、与えた価値を高く見積もる
- 受けた側は、時間が経つにつれて、受けた価値を低く見積もる
という法則があるからです。
つまり見返りを要求する際には、要求する直前にも与えたほうが効果が高いということになります。
あくまで与え続けていきましょう
とはいえ、始めから見返りを期待していると、見返りがなかった場合にがっかりしてしまいますので、こんな言葉をご紹介しておきます。
“運は親切をした相手の背中からやってくる”
これは、頑張っている人間を必ず誰かが見ている。他人に親切にしても、その人から何かが返ってくることはまずない。しかし、それを見ている人間が必ずいて、その人間から運を与えられる。という意味の言葉です。
見返りを期待しなくても必ず自分に返ってくるものですし、見返りを期待しているのがありありと見て取れるようでは、こころの中のスイッチは押せません。
あくまでも“与え続けて”いきましょう。
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