コミットメントと一貫性を営業活動に生かす方法 社会人必読の名著「影響力の武器」に学ぶ-2

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本題に入る前にアピールです。このシリーズは、名著「影響力の武器」の内容を紹介しながら、貴社の営業活動に役立てる方法をご紹介しています。ぜひ第一回から目を通してみてください。

では、本題に入ります。

第二回目はコミットメントと一貫性

今回は二回目として、「コミットメントと一貫性」をご紹介します。

コミットメントという言葉は良く聞きますが、いまいち意味がふんわりしているかたもいると思いますので、簡単にお伝えします。

もちろん複数の意味がありますが、ここでは「責任を伴う約束」という意味だと思ってください。某CMの「結果にコミットする」というコピーと同じ使われ方です。

さて、コミットメントと一貫性とは、簡単にいうと、「人間は、一貫性がある人間だと見られたい」という思考です。

つまり、ゴールを宣言させると、それを達成しようとするのです。

もう少し細かく説明すると、何かを言う・話す・書くといった行動で、自分の立場を明確にした場合、一貫性を持った人間だと見られたいために、その立場を維持するために様々な努力をおこなうということです。

こんなところで使われています

様々なところで使われている方法ですが、一つ分かりやすい例を挙げてみます。

街角で募金をしたことはあるでしょうか? 募金したことはなくても、見かけたことはあると思います。

ストレートに募金をお願いしますと声を掛けるパターンと、アンケートにご協力くださいと声を掛けるパターンがありますが、後者のアンケートにご協力くださいと声を掛けるパターンは、このコミットメントと一貫性を利用した募金である場合が多いです。

それは次のような順序で行われます。

まず、そのアンケートでは、一般的な考え方の人間ならおおよそ「はい」と答えるであろう質問をされます。例えば

  • 貧困で苦しむ子どもたちにも平等に教育の機会を与えるべきだと思いますか?(はい・いいえ)
  • 子どもたちを、暴力・虐待・搾取から守るべきだと思いますか?(はい・いいえ)
  • 武力紛争で傷ついた子どもたちには心のケアが必要だと思いますか?(はい・いいえ)

のような質問が続きます。ここまではアンケートです。

そしてその後に、「私たちは、子どもたちの命と未来を守るために募金活動をおこなっています。ご協力をお願いします。」と、募金を促されるのです。

どうでしょう? 断りにくいと思いませんか?

アンケート型募金を断りにくい理由と原因

この募金を断りにくい理由が、「コミットメントと一貫性」という思考の、一つの原因です。

それは、最初に「はい」と宣言した事柄に対して一貫した態度をとらないと、外部から不誠実だと思われてしまうので、それを避けたいという感情です。

「この人は、子どもの命と未来を守りたいと言っておきながら、そのための募金は断るのか?」と思われたくないのです。

よくよく考えてみれば、募金を募っている人に何と思われようと支障は無いはずですが、それでも他者からの不信感を避けたいという感情が働くのです。不思議ですよね。

もう一つの原因

「コミットメントと一貫性」という思考のもう一つの原因は、「脳の省エネ」です。

人は日々たくさんの選択をしなくてはいけません。目覚めの段階から選択の連続です。

  • 朝起きるか、もう少し寝るか
  • パンを食べるか、ごはんを食べるか
  • 青いシャツを着るか、白いシャツを着るか

朝からこれらを全て検討して選択をしていると、もっと重要な業務であったり育児であったりの選択をする時には、脳が疲れて判断が鈍ってしまいます。

ですから、例で挙げたような重要度の低いものはルーチン化している人がほとんどだと思います。朝は6:30に起きて顔を洗い、ニュースをチェックしながらパンとコーヒーをかじり、7:05にスーツに着替えて、7:15に駅に向かう……のようなパターンを繰り返すのではないでしょうか。

考えずに自動的に行動して、思考を節約しているのです。

これと同じように、最初に宣言したこと、コミットメントしたことに対して一貫した態度を取り続けることで、思考を節約することができ、脳のエネルギーを温存することができるのです。

悪用されているケース

分かりやすい極端な例を挙げると、どうしても悪用されているケースをご紹介することになりがちなのですが、決して悪用はしないでください。知って、防衛をしていただくためにご紹介をします。

さて、コミットメントと一貫性に於いては、フット・イン・ザ・ドアという手法で応用されていることが多いように感じます。

始めに小さな協力を取り付けて、徐々に大きな協力を得るという方法です。

例えばPCの販売で、始めに何のオプションも無い安い価格を提示して「買う」という決心をさせ、受付のカウンターに座らせてしまいます。その後に、オフィスソフトを使うには○○が必要です、インターネットを使うには○○が必要です、サポートを受けるには○○を契約してくださいなどといったオプションが追加されていき、最終的には決して安くない価格、あるいはむしろ高い価格になってしまう。といった手法が、例として挙げられます。

PCに限らず、保険・携帯電話・車・住宅など様々な販売方法に利用されています。

これは、一度「買う」と決心してしまうと、後から悪い条件(ここではオプションの料金)を提示されても、「買う」という判断を覆しにくいという思考を利用しています。

業務ではどう活かせる?

コミットメントと一貫性を正しく業務に生かすには、どのような方法が考えられるでしょうか。例えば、

  • 営業先での雑談では「今日は良いお天気ですね」や「最近寒くなってきましたね」など、相手の返事が「はい」になるような会話を積み重ねる。(このように商談の前に簡単な「はい」を積み重ねるには、事前教育が必要です)
  • 商談相手のメンバーや社内企画会議のメンバーに、あえて推進反対派を入れる。または相談を持ちかける。(このように検討過程から絡めることで強力な味方になってくれる可能性が高いです)
  • 商品やサービスを販売する前に「予約」という手続きを作ることで、購入を宣言してもらう。
  • 実店舗に於いては、目玉商品を用意して来店してもらう。(買うという意思表示をして店に足を運んだお客様は、目玉商品が売り切れていたら通常商品を購入する可能性が高いです)
  • シリーズ物として発売する。(ストーリー性を持たせることで複数購入してもらえる可能性があります)

以上のような方法が考えられます。

「はい」を積み重ねましょう

色々と応用できる方法ですので、ご自身の業務に一番合った使い方を見つけてください。

ポイントは小さな「はい」を積み重ねることです。

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