希少性を営業活動に生かす方法 社会人必読の名著「影響力の武器」に学ぶ-6

マーケティング
この記事は約5分で読めます。

移動中や作業中に、音声での聞き流しもできます ▼▼▼

本題に入る前にアピールです。このシリーズは、名著「影響力の武器」の内容を紹介しながら、貴社の営業活動に役立てる方法をご紹介しています。ぜひ第一回から目を通してみてください。

では、本題に入ります。

第六回目は希少性

今回は六回目として、「希少性」をご紹介します。

人は、手に入りにくいものほど貴重なもの、価値があるものだと考えてしまいます。そして、希少だと見なすと、その価値を高めに考えます。

つまり、限られたものほど欲しくなるというのが希少性の原則です。

水とダイヤモンドはどっちが大事?

さて、あなたが次のような選択を迫られたら、どちらを選ぶでしょうか?

「水」と「ダイヤモンド」のどちらか一方を選んでください。選ばなかったほうは、今後、一生手に入りません。

いかがでしょうか?私なら迷わずに水を選びますし、水を選んだかたが大多数だと思います。

水は人間が生きるために必要不可欠で、ダイヤモンドが無くても生きることはできるからです。

一方で、水とダイヤモンドの価格を比べてみると、私の住んでいる地域では一般の上水は10立方メートルまでで680円です。ダイヤモンドの価格は様々な要因がありすぎて一般的という例を挙げにくいですが、1カラット(0.2g)で50万円くらいでしょうか??比べるまでもなくダイヤモンドのほうが圧倒的に高価です。

重要度は水のほうが上なのに、価格はダイヤモンドのほうが上。なぜでしょうか?ダイヤモンドはもちろんですが、水だって有限です。無いところには無いのです。

違うのは、ダイヤモンドのほうが、人が欲している量(需要)に比べ、利用できる量(供給)が少ないということです。

手に入りにくいと、価値が高くなるのです。

余談ですが、ダイヤモンドが高価な原因は、ダイヤモンドの絶対量が少ないという点に加えて、流通を制限していた仕組みにも要因があります。しかしその仕組みも崩壊しつつあります。これも大変に面白い話しなので、別の機会に紹介したいと思います。

これも余談ですが、水が入手困難な場合は、水の価格はダイヤモンドを超えます。富士山の自販機や砂漠でのペットボトルの話しではダイヤモンドを超えないかもしれませんが……、どんな場合に超えるのか皆さんも考えてみてください。思考実験や観念の話しではなくて実際の話しです。

クッキーの実験

さて話しを元に戻して、面白いもう一つの実験をご紹介します。

グループを2つに分けて、両方のグループに違う条件を与えて全く同じクッキーを食べてもらい、そのクッキーに対する評価をしてもらうという実験です。

グループAには、十分な量のクッキーを渡しました。グループBには、人数に対して少し足りない量のクッキーを渡しました。さて、評価はどのようなものだったでしょうか?

ここまでの話しの流れで結果は想像できると思いますが、ご想像のとおり、クッキーの量が足らないグループBのほうが、クッキーに対する評価が高かったのです。

全く同じクッキーでも、少し足りないだけでその価値が上がった。つまり、希少性が高いということは、人間の味覚や五感までもコントロールしてしまう力があるのです。

価値と品質は正比例しない

この2つの例から考えられることは、希少性を演出することで、品質以上に価値を高めることができるという事です。

価値と品質は正比例するわけではないのです。

業務ではどう活かされている?

では、希少性を業務に活かすには具体的にどうしたら良いでしょうか?たくさんの方法がありますので、簡単に紹介してみます。

  • 数を制限する……50個限定販売や、麺が売り切れ次第営業終了、のような方法です。
  • 色を変える……車などを考えると分かりやすいですが、プレミアムカラーや限定カラーは価格が高いですし、人気色だと下取り価格も高いですよね。
  • 素材を変える……アップルウォッチなどで使われている手法ですが、色と同様の効果があります。
  • 価格を変える…… ハイブランドと呼ばれるモノはこの手法を上手に使っています。
  • 販売時間を制限する……アマゾンのタイムセールなど。私もついつい不要なものを買ってしまいます。
  • 販売場所を制限する……昔のアップル製品は、家電量販店では買えませんでしたよね。また地域限定商品などもこの手法です。
  • 特典をつける……今だけ!や、初回限定特典のような手法です。コアなファン相手だったり、購入しようかどうか迷っている人に向けて強力な手法です。
  • 販売する人を限定する……これには2つの系統があります。一つは、有名人などが販売する方法で確実に単価も売上も上がります。もう一つは特約店などの方法で販売できる人を限定する方法です。これは卸業者にもメリットがある手法です。
  • 相手の権限を限定する……会員登録してもらい、購買履歴などに基づいてランク分けをし、高ランクの人にメリットを多く与える手法です。

ここまでいくつか挙げてみましたが、本当に希少なモノではなくても、希少性を高める方法はたくさんありますので、意識して見つけてみてくださいね。

まとめ

まとめになりますが、人は限定されたものに対して、不当に高い価値をつけてしまう傾向にあります。

つまり全く同じモノであっても、うまく希少性を演出すれば価値は上がります。

誰もが販売しているサービスや、差をつけることが難しいサービスでも、差別化を図ってお客様に『手に入れたい!』と思わせることができるということです。

ぜひ貴社のマーケティングにも応用して役立ててください。

社会人必読の名著「影響力の武器」に学ぶシリーズ 記事の一覧


コメント

タイトルとURLをコピーしました