激安パンフレット印刷で、本当に良いのか?

パンフレット・ホームページの作り方
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条件付きで「良い」

はじめに結論からお伝えすると、激安パンフレット印刷でも、条件付きで「良い」といえます。

条件とはどんなものなのか、次の章から詳しくみていきます。

激安パンフレット印刷には2種類ある

激安パンフレット印刷は大きく2種類に分けられます。

1種類目は、「デザイン」「制作」から「印刷」「納品」までを行う激安印刷、2種類目は、「デザイン」「制作」は自分でおこなって、「印刷」「納品」のみを行う激安印刷です。色々な角度から見れば他にも分け方はあると思いますが、今回お伝えしたい内容に沿った分け方です。

  • 1種類目の場合は、例えば、電話やメール、ホームページなどを利用して、掲載したい項目を伝えます。それを激安パンフレット制作会社がテンプレートに流し込んで印刷し、納品をしてくれます。
  • 2種類目の場合は、例えば、エクセルやワード、パワーポイントなどでデータを作って、データを渡します。それを激安パンフレット制作会社が印刷し、納品をしてくれます。

激安な理由

どんなモノでも、激安にできるには必ず理由があります。では激安パンフレット印刷が激安でできる理由は何でしょうか。

理由は大きく3点考えられます。

  • 1.営業経費を削減している
  • 2.スケールメリットを利用している
  • 3.印刷システムを工夫している  です。

「デザイン」から行うか「印刷」から行うかによって違いはありますが、分けて紹介すると倍近くの量になってしまうので混在することをご了承ください。

では、1点目から3点目までを細かくご紹介します。

1点目は営業費の削減

1点目の営業経費を削減しているというのは、営業担当者の人件費を削減しているということです。

いくつかのパターンがありますが、主に顧客獲得の新規営業やリピーター獲得などのフォロー営業を、ホームページなどのweb媒体やメールを中心に行うことでの経費削減が挙げられます。また「デザイン」「制作」を発注者に任せてフォローをしない、またはフォローを最低限に抑えることも挙げられます。

2点目はスケールメリットの利用

2点目のスケールメリットを利用しているというのは、複数の印刷物を同時に印刷して、面積的にも時間的にも隙間なく稼働させるということです。

一般的なオフセット印刷を例に挙げると、A4を8枚並べた大きさより、さらに一回り大きい紙に印刷をします。詳しく説明すると長くなってしまうので省きますが、単純に4ページ・8ページくらいの印刷物だと隙間ができてしまい無駄になります。ですから、それらを8面の倍数になるように組み合わせて隙間なく印刷するのです。

また印刷機が稼働していない時間は当然利益を生まないので、1商品あたりの利益を薄くしてでも受注量を増やし、連続稼働することで時間的な隙間をなくしています。

3点目は印刷システムの工夫

3点目の印刷システムを工夫しているというのは、工夫の仕方が会社によって異なりますので、一例をお伝えします。大手激安印刷業者などでは、品質のバラツキが少ない、一定レベルを保つシステムを構築するという方法をとっているのです。

品質の良い印刷とはただ印刷機を回せば良いというわけではありません。職人が様々な技術を使って品質を向上させています。品物ごとやページごとに微妙なインキ量の調整などもおこなっています。ところが2点目のスケールメリットでご紹介したように複数の印刷物を同時に印刷するとなると、この調整が難しくなります。そこで明確な品質基準を定めて、その範囲から外れない一定品質の印刷を行うわけです。語弊があるかもしれませんが、飛び抜けて素晴らしいものも、それ程ヒドいものも出来ないが、大量生産はできるということです。

激安印刷のメリット・デメリット

激安印刷のメリットは、いうまでもなく安いこと。そして価格と納期の関係が明確なことです。

では、デメリットは何でしょうか?答えは先程の激安な理由とリンクしていますので、激安な理由と同じ順番でご紹介します。

デメリットの1点目は、営業担当者がいないこと。

デメリットの1点目は、営業担当者がいないので適切なアドバイスが受けられないことです。

印刷物に効果を求める場合、この部分のデメリットが一番大きいと感じます。営業担当者がいないということは、デザイナーや制作オペレーターとも繋がれないということですので、どんなターゲットに向けたらいいか、どんなコピーが効果的か、どんな写真を使ったらいいか、どんな紙に印刷しらたいいか……などのアドバイスが受けられないことになります。商品名と価格が羅列されただけの印刷物を大量に準備するならそれでも良いですが、それでは集客できませんし、売れません。効果を出すためには、その紙に書かれている中身のほうが重要だからです。

デメリットの2点目は、個別の細かい要求には対応できないこと。

デメリットの2点目は、スケールメリットを生かして組み合わせて印刷するために個別の細かい要求には対応できないことです。

細かい要求というのは、紙の種類や印刷のインキの発色などへの要求です。同じ仕様で印刷するから安くできるという仕組みなので、一般的でない仕様にしたい場合は高くなるというのは仕方のないことです。

デメリットの3点目は、品質が安定しないこと。

デメリットの3点目は、やはり組み合わせての印刷に起因して、品質が安定しないことです。

例えば、ひとくくりに白い紙といっても、青みがかった白や黄色みがかった白など、まさに色々なイロがあります。手元に、コピー用紙やメモ帳など種類の違う白い紙を並べてみると実感できると思います。

商業印刷時に、職人が一案件ずつ調整しながら印刷する場合、食品が美味しく見えるようにとか、顔色が血行良く見えるようにとか、実際の製品と近い色が出るようにとか、紙との相性や表現したい内容を考慮して印刷します。仕上がりの大事な要なので、ここにデザイナーが立ち会うこともしばしばです。

ところが品質を一定の範囲内に定めた印刷では、そういったことはできません。一つの案件に合わせて調整してしまうと、他の印刷物に影響するため、仕方のないことです。

デメリットの4点目は、データ作成知識が必要なこと。

デメリットの4点目は、ある程度の印刷知識とデータ作成知識を持っている必要があることです。

激安印刷の多くは、完全データでの入稿が基本です。完全データについて詳細は省きますが、デザイン・印刷業界での実務経験がある人が主なターゲットだと思っていただければ、ほぼ正解に近いと思います。

最近ではエクセルやワード、パワーポイントなどのオフィスソフトで制作したデータも受け付けるところが増えていますが、そもそも表計算や文書作成、プレゼン資料作成ソフトなので、印刷は用途違いであり、力不足が否めません。

激安パンフレット印刷で「良い」場合とは

かと言って、激安パンフレット印刷が完全にダメなわけではありません。激安パンフレット印刷でも大丈夫な場合がありますので、2点ご紹介します。

印刷知識とデータ作成知識をもっている

1つ目は、印刷品質を上げるための、印刷に関わる知識とデータを作成する知識を持っている場合です。

例えば元々デザイン会社に勤めていた方でしたら、紙の種類に対する色調整の勘や、表現できる色域などへの勘もあるでしょうから、状況に合わせて写真やイラストを調整しておくこともできるでしょう。

また同人誌などを発行している方でしたら、過去の発注から、経験則が積み重なっているかもしれません。

内容がしっかり練られている

2つ目は、印刷品質は上げられないが内容で勝負できる場合です。

色使いや文字の並びよりも大事なことは、どのような内容が書かれているかです。具体的には、ターゲットをぎゅっと絞って、伝えたい事を明確にして、しっかり届ける、そんな内容になっているかという事です。

内容の練り方について、詳しく紹介した記事がありますので、ご興味を持たれたら参照してみてください。

4ステップでできるパンフレットやホームページの作り方

まとめ

激安パンフレット印刷を利用することは、条件付きで「良い」と思います。条件とは、印刷品質を上げるための知識を持っているか、内容がしっかり練られている場合です。両方揃っていればなお良いです。

どちらの条件にも当てはまらない場合、ご自身で研究してから激安印刷を使うのは研究する時間の浪費ですし、研究せずに激安印刷を使うのは効果が伴わないため経費の浪費ですから、制作会社やデザイン会社、印刷会社に声を掛けることをお勧めします。

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